VLSIシンポジウム
VLSIシンポジウムが6月中旬に開催されました。
これは、半導体業界における最も大きな国際学会のひとつで、冬のIEDM(International Electron Device Meeting:国際電子デバイス会議)、ISSCC(International Solid State Circuit Conference:国際固体回路学会)と並んで、半導体技術のベンチマークとされる学会です。
今年のVLSIシンポジウム(業界ではVLシンポと略す)について所感を語りたいと思います。
今年の会場はハワイ。
偉い学者先生や、企業の技術者たちは会社の金でワイハーに行って箔つけて遊んで帰ってくるわけで、いい身分です。んなこと言ったら怒られるか。
さて、企業ごとの論文件数をみると、今年は韓国サムスン電子とジャパニーズ東芝が圧倒的に多かったようです。ここ10年ほど半導体業界といえば、日本はアメリカと韓国にメタメタにされたというイメージが一般的だったのですが、気がついたら技術はまた日本企業がリード役になったというわけです。しかも、商用化に向けたトランジスタの微細化技術では東芝はほかの日本勢を圧倒的に引き離しています。すごいぞ東芝。
サムスンはやはりDRAM関係の論文が多かったようです。世間的には半導体メモリといえば、DRAM(Dynamic RAM)やSRAM(Static RAM)、フラッシュメモリあたりが有名ですが、最近はFeRAMだの、MRAMだのPRAMだの、MONOSだのSi dotだの実に多くのメモリ技術があり、わけがわからなくなってきてます。そのなかでどんだけモノになる技術があるのかわかりませんが。そして、サムスンはほぼすべての分野で論文を出してきてます。メモリときたらやらずにおれないという企業姿勢のようです。
また、130umノード以降になると、銅配線技術を採用するのがトレンドなのですが、サムスンの場合、まだまだAl配線でいくと聞きました。業界の常識もその気合で凌駕しそうだから、ほんとこわいですねえ。
半導体最大手のインテルはVLシンポの論文件数はそんなに目立たなかったのですが、同じ場所で行われたVLSI回路シンポジウム(業界ではVLサーキットという)のほうでは多くの論文を出していました。これは、微細化に伴う低電力回路技術の必要性などで、デバイス技術より回路技術のほうに注力しはじめているということではないかな?
回路分野でも、サムスン電子の件数が増加しました。豊富な資金力でどんどん力をつけているようですねえ。日本ではVLサーキットは意外と富士通ががんばっていたようです。
回路の学会というと、最近までアナログ・RF分野が花盛りだったのですが、今回は測定技術のほうに関心が移ってきたようです。まー、確かにこんだけ大規模になると、チップが動かない!といってもその原因を解析するのは並大抵の苦労ではないですよね。
企業ごとの投稿件数を見てると、やっぱキラーアプリを持っているところは強いなと感じました。サムスンはいわずと知れたDRAM、東芝はソニーと組んで急に元気になりましたし、インテルはプロセッサがあります。半導体技術開発というのは膨大な資金と工数が必要なので、大量に出荷できるアプリケーションがあるのとないのではモチベーションに雲泥の差があります。
この辺に半導体企業の将来性を見る鍵がありそうです。
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